はじめの一歩を踏み出そう〜起業家でなくとも読むべき書籍〜

はじめの一歩を踏み出そう―成功する人たちの起業術

著者: マイケル・E. ガーバー
出版日: 2003-05-01
出版社/メーカー: 世界文化社
カテゴリ: Book

一昨年の仙台Ruby会議02で、確か@xibbarさんだったかな、起業するならこれは読むべきと言う話をしていて、さらに@t_wadaさんも持ってきていて、そんなならとりあえず買っておくかと買っておいた本でした。最近思うところあって読んでみたのですが、なんとなくあの場で親方達が話していたことがわかったような気がします。

内容的には、スモールビジネスとして起業する上で理解しなければいけないこと、特にエンジニアなどの職人が起業する上で以て置かなければ失敗してしまう考え方を記した、バイブル的な本ですね。「こんな会社嫌だ!あんなんでいいなら俺が会社作ったほうが絶対うまく行くって!」と思って起業しても失敗するか苦しむだけだよと、非常に分かりやすく説明されていました。

いくつか気になったキーワードと感想など。

「起業家」「マネージャー」「職人」の3つの人格

これは仙台Ruby会議02でも話が出たのですが、経営者にはこの3つの人格が必要だそうです。しかもバランスよく持たないといけない。エンジニアはだいたい「職人」なので、普段の仕事に没頭して他のことをやりたくなくなる、逃避してしまって会社としては成り立たなくなる。「仕事」と「経営」は違うんだよと、実例を出しながら説明されてます。

読んでて思ったのが、一昨年までの自分は「職人」だったんだなと言うこと。瑣末なことから逃げて、コード書いてればいいやと思って部分があります。もちろん突き詰めたいと言う思いはあるのですが、そうではない部分で、マネージメントや経営から逃げてたなーと思いました。

ただここ最近は、どちらかというと「マネージャー」思考が多くなり、また経営についてもいろいろと勉強したいなと思ってるので、バランス取れてきたのかな?とか考えてます。いいのか悪いのかはよくわかりませんが。バランス取れたら何かいいことあるわけでもないので、微妙な気がしないでもないですが。なんかあったときに、誰か雇ってくれるでしょうか。

マニュアル

この本ではマニュアルを作れと言われるのですが、作ったあとが重要ですね。運用と更新を繰り返して良くしていくというイテレーションは、どのジャンルでも重要ということでしょう。作って、はい、終わり、では、何も良くならないことを肝に銘じたいですね。

何でもデータを取って分析する

またマニュアルにしたことの効果測定も重要で、それを分析する必要があります。特に自分がやったことに対する評価を数値的に見るっていうのもいいですね。例えばエディタを変えてみて、コードを書くスピードに変化があったか、MacBook Airにしてコード書く量に変化はあったかなど、プログラマでもこれはあてはまります。好き嫌いもあるでしょうが、生産性が上がったかどうか、これから上がるのかどうかなど、評価すべき点はたくさんありそうです。

顧客は直感で決める

そういう意味では髭面はやばい。

例えばサイトの色合いとか見た感じの安心感などで、そのサービスを使うか決めてしまうことってありますよね。日本人にあまり受け入れられていないFacebookなんかは、直感的にわかりづらいんですよね、なんか。パッとわかるデザインの重要性や、ターゲットの嗜好を知ることなど、簡単にできる割に効果の高いマーケティング手法が紹介されていました。

起業しないエンジニアでも読むべき

で、最後は「起業しようぜ!」で終わるのですが、この本を読んで理解すれば、起業しなくとも仕事に対する考え方が変わると思います。特に今ベンチャーと言われる企業にいる方は、ここに書かれていることを実践してみてはいかがでしょうか。きっと視点が変わることで視野が広がり、よい気持ちで仕事に取り組めることになると思います。

もしくは起業したくてたまらなくなるかもしれませんが :)

 
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