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2003年12月26日

[thesis] インターネットに国境はあるか

と聞かれて,「ある」と答える人はいないだろう. そもそもインターネットとはおおざっぱに言えば単なるコンピュータネットワークなわけで, しかも世界中にその網が広がっている.どこからどこまでがどの国というのは, IPアドレスを見ればわかるのかもしれないが, 個々のルータやスイッチはそんなことを考慮はしてくれない. そもそも流れるデータがどこの国に属するものかを判断するのは人間だ. 0と1のみで表現されるBinary Dataをある方法で視覚的にわかりやすいように表現すると 画像や動画になったり,聴覚的に理解しようとすると音楽になったりするわけだ. この0と1は電気的な信号で世界中を飛び交うため, 国境なんてものは全く意味をなさない.

ここ十数年の間に, いろんなものがAnalog DataからDigital Dataに変化してきた. 一番身近なのは音楽(CD)だろう. あっという間にレコードはなくなり,CDのみになってしまった. まだここまでは良かった.Internetが世間で話題に上り始めた頃, この広大なNetworkの中にそのDigital Dataのみが流れ始めたのだ. いままではCDなりMDなりで,物理的輸送手段を用いなければ遠くへ運べなかったものが, 今やあっというまに地球の裏側まで転送することができる. しかもP2Pなんてものを使うと,世界中に爆発的に拡散していってしまう. それを止められるものなんて,世界中のどこにも存在しないだろう.

インターネットには国境はない. どこかに国境警備隊がいて, 流れてくるデータを逐一監視して強制送還するような仕組みはない. 強いて言えば,地球に現れた新たな国とでも言えるのかもしれない. そう考えると,一つの大きな国なのだから,国境なんてあるはずもない.

もう一度言おう.インターネットに国境はない. なのになぜそれぞれの国の法律を適用しようとするのだろう. 何か違和感を感じられずにはいられない.

Posted by Rust Stnard at 19:26