優秀なエンジニアとは?採用の難しさ

そもそも優秀なエンジニアってどういう人なんでしょうね。採用やってると、いろんな優秀さが見れるんですが、かと言ってそれを測る尺度をたくさん用意するのは運用上不可能です。特に技術やビジネスなど状況が毎週のように変わるので、下手すると尺度もそれと同じ頻度で変更する必要があります。このあたりで失敗してしまうと、いろいろ不都合が生じてしまうこともあるので、ちゃんとした尺度を持っておかないと後で辛いことになります。

一方で「ある意味、優秀なエンジニアならなんでもできる」という話も聞きます。これも間違ってるわけではないんですが、「なんでもできる」ということと「やってもらおうと思っていることをやりたいと思っている」という話は別です。ここも間違いやすいんですが、確かに「一般的な尺度で言うところの優秀な人間」であれば、なんでもできるかもしれないんですが、そのことを見極める方がもっと大変じゃないかなと思ってます。

たとえ見極められたとしても、優秀さというのが決まっているパラメータで、それ以上成長しないのであればいいんですが、まあ普通考えると仕事をしているうちに伸びていく可能性が高い。そうなると今度は伸び率とか到達地点みたいなのも考える必要があって、さらに難しくなります。「この人はいま技術力高いけど、このまま高いままでいられるのか?」などという見極めは、いくら面接で頑張っても無理があるので、銀の弾丸はやはりありません。

また技術力がある人を採用したとしても、会社の文化と合わないと居心地が悪くなってしまい長続きしません。例えばエンジニアは一般的に朝に弱いと言われてますが、朝9時から始まる会社でフレックスはNGみたいな文化だと入ってから苦労するだろうし、やたらと社内イベントがあるのも辛いという話もあるでしょう。これらは良し悪しではなく好き嫌いなので、社内文化との合うかどうかということも重要な要素です。

そんなこんなで優秀なエンジニアの採用は非常に難しいんですが、じゃあどうするかというと、一つはそもそもエンジニアの採用で技術力をそこまで重視しないという方法を取ることです。全く考慮しないのはさすがにナンセンスですが、技術力だけを見ないで成長力や適応力、また社内文化のとのカルチャーマッチを重視する方法です。個人的には技術力よりもカルチャーマッチのほうがなんともならないという気がしているので、ここをミスるとお互いが不幸になります。

もう一つは優秀なエンジニアが入ってくれるように社内文化を変えることです。フレックスを導入したりリモート作業できるようにしたり、社内イベントなどは任意性にしたりと、変えられるところを変えていって受け入れられるようにする方法があります。

ただこちらは既存文化からの反発が大きくなってしまうので、普通はやらないほうが良いでしょう。エンジニアだけがいれば会社が成り立つのであればいいんですが、普通はそうではなりません。総務・人事・経理など、いくらIT化しても面倒なことには変わりません。そんなことを自らすすんでやってくれるエンジニアなんてほとんどいないだろうし、いたとしても「俺が考える最強の社内システム」を作り出して自滅するのがオチです。

個人的にはこの2つの方法を軸に、いろいろ試行錯誤しながら社内体制を徐々に変更しつつ、成長力やカルチャーマッチを考慮した人材を採用するのが良いのではないかと思っています。

 
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